愛知県豊田市で関節リウマチ・膠原病を専門とした外来です

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疾患一覧

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全身性エリテマトーデス(SLE:systemic lupus erythematosus)

概要

若い女性に多く発症する全身の多臓器に障害を引き起こす自己免疫疾患です。皮膚の異常が出現しやすく、顔面の皮疹である蝶型紅斑が特徴的ですが、円板状の皮疹が多発したり、光線過敏症、口内炎が出現したりします。関節炎はとても頻度が高く、関節痛で発症することもあります。血液検査にて、白血球(特にリンパ球)、赤血球、血小板が減少することがあり、抗核抗体、抗DNA抗体、抗カルジオリピン抗体などの自己抗体が検出されると診断されます。尿検査では、蛋白尿・血尿があるとループス腎炎の可能性があり、腎生検が必要になります。その他、ループス腸炎(腹痛)、胸膜炎・心膜炎(胸痛)、精神神経ループス(脳炎、精神症状)が出現する場合もあります。

特徴的な検査結果

抗核抗体、抗dsDNA抗体、抗Sm抗体、抗カルジオリピン抗体
血球減少、補体(CH50, C3, C4)低値
尿蛋白・尿潜血

治療

臓器障害の重症度によって治療の強度を決定します。基本はステロイドを中心とした内服薬で、ほとんどの場合は、いくつかの免疫抑制剤を併用します。免疫抑制剤には、ステロイド以外に、シクロスポリン(ネオーラル®)、タクロリムス(プログラフ®)、ミゾリビン(ブレディニン®)、ミコフェノール酸モフェチル(セルセプト®)、アザチオプリン(イムラン®)、シクロホスファミド(エンドキサン®)などがあります。注射製剤である生物学的製剤のベリムマブ(ベンリスタ®)を併用することもあります。初期治療は入院して開始します。

全身性強皮症

概要

全身性強皮症は、皮膚が硬化する疾患ですが、皮膚以外の臓器障害も起こす疾患です。男女比は1:12であり、30~50歳代の女性に多くみられます。大きく二つのタイプがあり、全身に皮膚硬化が進展する「びまん皮膚硬化型全身性強皮症」と、皮膚硬化が手足にとどまる「限局皮膚硬化型全身性強皮症」に分けられます。血液検査で検出される抗体によってある程度判断が可能です。抗Scl-70抗体、抗RNAポリメラーゼIII抗体は、びまん皮膚硬化型に、抗セントロメア抗体は限局皮膚硬化型のタイプになりやすくなります。
皮膚硬化は、手指の腫れぼったい感じからはじまります。びまん皮膚硬化型の場合は、その後、手背、前腕、上腕、体幹と体の中心部分に皮膚硬化が進むことがあります。硬化した皮膚は茶色や一部白色になったり皮膚の色が変化します。指先などに潰瘍ができやすくなります。
レイノー症状(冷たいものに触れると手指が蒼白~紫色になる症状)が高頻度に出現します。初発症状としても多く、皮膚が硬化してくる数年前から出現することもあります。
内臓の臓器障害としては、肺、腎臓、消化管に出現することがあります。肺では肺線維症といわれ、咳や息苦しさが生じるようになります。急な血圧上昇とともに急速に腎機能が悪くなることがあり、強皮症腎クリーゼといいます。消化管が線維化すると、動きが悪くなり、逆流性食道炎になりやすく、胸やけなどを感じます。また、肺動脈の圧力が上昇する肺高血圧症にも注意が必要ですので、自覚症状がなくとも心エコーなどの検査が必要になります。

特徴的な検査結果

抗核抗体、抗Scl-70抗体、抗セントロメア抗体、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体

治療

現段階では皮膚硬化や肺線維症を治癒させる確立した治療法はありません。しかし、症状を和らげたり進行を遅らせるための治療法はあります。ステロイドや免疫抑制剤を使用します。腎クリーゼを発症した場合には迅速な治療が必要で、ACE阻害薬という降圧薬を開始し、状態によっては血漿交換や血液透析が必要になります。また、レイノー現象などの末梢の循環障害には血管拡張薬で、逆流性食道炎には制酸剤などで対処します。

強皮症の手強皮症の手:皮膚は硬く硬化し、皮膚をつまみあげることができない。色素沈着している。手指はまっすぐ伸びなくなってしまっている。

シェーグレン症候群

概要

シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺が主に障害されて、涙液や唾液の分泌量が減るために、ドライアイやドライマウス(口渇)が出現する疾患です。しかし、その他に、肺、腎臓などの臓器障害やリンパ腫といった血液疾患を併発することがあります。

特徴的な検査結果

抗核抗体、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体、リウマチ因子
白血球減少、IgG高値
ガムテストで唾液分泌量低下、シルマテストで涙液分泌量低下
口唇生検で多数のリンパ球浸潤

治療

根本的に治癒をさせる薬剤はないため、基本的には、それぞれの症状に対しての投薬となります。
ドライアイに対しては点眼薬、ドライマウスに対しては唾液分泌促進薬(サラジェン®、サリグレン®)や漢方薬です。しかし症状が重篤であったり、内臓障害がある場合は、ステロイドや免疫抑制剤を使用します。

皮膚筋炎・多発性筋炎

概要

筋肉に炎症を起こす疾患で,筋肉痛や力が入りにくい、疲れやすいといった症状がでます。特に上腕~肩、大腿の筋肉に症状が出やすく、腕が挙げにくい、しゃがみにくい、立ち上がりにくい、階段が昇れなくなったなどの症状が出ます。特徴的な皮膚症状を伴う場合は皮膚筋炎、伴わない場合を多発性筋炎と診断されます。筋肉だけでなく、肺、心臓などの他臓器にも障害が出ることがあります。
皮膚筋炎の皮膚症状の特徴は、上まぶたのやや腫れた赤色の皮疹であるヘリオトロープ疹、手指の関節や肘、膝にカサカサしたやや紅色の皮疹であるゴットロン徴候、首~前胸部の紅斑であるVネックサインと呼ばれる皮疹が特徴的です。皮膚筋炎の中には、皮膚症状のみで筋炎症状が乏しいタイプがあります。これは皮膚症状のみで軽症というわけではなく、肺障害が急速に進行する可能性があり、要注意です。
肺障害は間質性肺炎を合併しやすく、緩徐に進行し次第に肺が縮小し、咳、息切れが出ます。
たまに悪性腫瘍を合併することがあり、癌の検査も行います。

特徴的な検査結果

抗核抗体、抗ARS抗体(抗Jo-1抗体など )、抗Mi-2抗体、抗TIF-1γ抗体、抗MDA5抗体
血清CK、アルドラーゼ
X線・CT:間質性肺炎

治療

多発性筋炎も皮膚筋炎も、ステロイド治療が基本となります。高用量から開始して、徐々に減量します。間質性肺炎合併時や、ステロイドだけでは再燃する例では、タクロリムス(プログラフ®)、シクロホスファミド(エンドキサン®)といった免疫抑制剤や、大量免疫グロブリン療法(IVIg)を組み合わせて治療します。

混合性結合組織病

概要

混合性とあるように、SLE、強皮症、多発性筋炎の3つの疾患のうち、それぞれの疾患には診断されないものの、このうち2つ以上の疾患の症状が混合するように出現します。レイノー症状(冷たい刺激などで手指先が真っ白になる)、手指の全体的な腫脹が特徴的に出ます。

特徴的な検査結果

抗RNP抗体

治療

基本はステロイド治療となります。

全身性血管炎

概要

血管は、心臓から拍出する血液が流れる大動脈から、分岐を繰り返して次第に細くなり、全身の隅から隅まで張り巡っています。血管に炎症を起こしてしまう血管炎という疾患には、多くの疾患分類があります。血管の大きさから、大型血管炎、中型血管炎、小型血管炎の3つに大別され、その中にもいくつかの疾患があります。それぞのれ疾患に、特徴的な症状があります。

1.大型血管炎
高安動脈炎
巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
2.中型血管炎
結節性多発動脈炎(PN;Polyarteritis nodosa)
川崎病
3.小型血管炎

3-1.ANCA関連血管炎
顕微鏡的多発血管炎(MPA;Microscopic polyangiitis)
多発血管炎性肉芽腫症(GPA;Granulomatosis with polyangiitis)(旧 Wegener肉芽腫症)
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA;Eosinophilic GPA)(旧 Churg-Strauss症候群)

3-2.免疫複合体血管炎
抗GBM病、クリオグロブリン性血管炎、Henoch-Schonlein紫斑病、低補体性蕁麻疹様血管炎

様々な大きさ
Behcet病、Cogan症候群
単一臓器
皮膚破砕血球性血管炎、皮膚動脈炎、原発性中枢血管炎など
全身疾患に伴う
SLE,関節リウマチ、サルコイドーシスなどによる血管炎
病因が推定できる
B型肝炎、C型肝炎、梅毒、薬剤(プロピオチルウラシルなど)、癌による血管炎

高安動脈炎

概要

大型血管炎に分類され、大動脈、特に心臓から出る上行・弓状動脈、胸腹部の中心を下降する大動脈と、その分岐部に炎症が起きやすいです。若い女性が多いです。「脈なし病」とも呼ばれることがあり、血管炎によって血管が狭窄し、大動脈から上肢の方に流れる血管が狭窄すると、手首で脈が触れなくなり、腕で血圧測定ができなくなることもあります。大動脈から脳へ向かう血管が炎症を起こすと、首の血管(頸動脈)の痛みが出ます。心臓を出るところには大動脈弁がありますが、その付近の炎症によって、大動脈弁閉鎖不全症となり、血液が心臓に逆流するようになるため、心雑音や心不全で気づかれる方もいます。血管の炎症の初期には血管狭窄がなく、これらの症状が出ずに、微熱だけであったり、血液検査でCRP上昇を指摘されるも、長い間、原因が不明とされている方もいます。PET-CT検査で血管炎の広がりが確認できます。

特徴的な検査結果

PET-CTが有用なことがあります

治療

ステロイドを中心に、免疫抑制剤を併用します。生物学的製剤(アクテムラ®)も併用することがあります。弁膜症が重症だと弁置換手術が必要です。

ANCA関連血管炎

ANCAとは、抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody: ANCA)という抗体で、MPO-ANCAとPR3-ANCAの2種類があります。全身の諸臓器の小型の血管に炎症が生じる疾患群です。顕微鏡的多発血管炎(MPA)、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の3疾患があります。血管炎という血管の炎症を証明するには、障害臓器の組織を採取し病理組織にて血管炎を見つけることが重要ですが、必ずしも組織がえられない場合も多く、各疾患の特徴的な症候から診断することもあります。治療は寛解導入療法として、強力に血管炎を抑え込んで、寛解維持療法として、なるべく少ない量の免疫抑制剤を継続して、再燃をしないように維持します。3疾患の詳細はこちら >

リウマチ性多発筋痛症(PMR:polymyalgia rheumatica)

概要

高齢者に多い疾患で、関節付近の腱鞘滑膜炎が起きます。ある日の朝突然、身体中が痛くて起きられなくなってしまった。急に両肩から首あたりや、股関節周囲が痛くなり、手を上に挙げれなくなった。昨日まで元気だったのに、急に元気がなくなった。これらの症状で特徴づけられるように、急性発症する疾患で、ステロイド治療を開始すると、数日以内に劇的に良くなるのも特徴です。 「リウマチ」と名前に入っていますが、関節リウマチとは別の疾患です。しかし、ほとんど似たような症状が出現したり、関節リウマチ+リウマチ性多発筋痛症と両方の診断がされることも多々あります。

特徴的な検査結果

CRP高値、血沈亢進
(リウマチ因子は陰性であることが多いが、関節リウマチを合併するときは陽性となりやすい)

治療

ステロイドが有効です。ステロイドを減量中に再燃する場合や、関節炎が強く、関節リウマチと合併していると考えられる場合は、メトトレキサートなどの関節リウマチの治療薬を併用します。

ベーチェット病

概要

主に口腔粘膜、皮膚、眼、外陰部に急性の経過で炎症性病変を繰り返す、原因不明の慢性炎症性疾患です。日本では30歳代で発症する事が多く、男女比はほぼ同等です。
主症状は再発性の口内炎、外陰部(精嚢や陰唇など)潰瘍、皮膚病変(下肢に赤く腫れる皮疹)、眼病変(眼の痛み、まぶしく感じる、視力低下、視野の異常)です。
その他の副症状として関節炎、消化器病変、血管病変、中枢神経病変があります。副症状のうち消化器病変、血管病変、中枢神経病変が主の臨床症状である場合には、特殊病型として血管ベーチェット、腸管ベーチェット、神経ベーチェットと呼びます。

特徴的な検査結果

CRP上昇、HLA-B51陽性

治療

反復する外陰部潰瘍、結節性紅斑、関節炎などに対しコルヒチン®、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を使用します。難治性の場合や、眼病変や特殊病型に対しては、ステロイドおよび免疫抑制剤(アザチオプリン(イムラン®)、シクロスポリン(ネオーラル®)、メトトレキサート(リウマトレックス®)や、生物学的製剤(インフリキシマブ(レミケード®)、アダリムマブ(ヒュミラ®))を使用することがあります。

成人Still病

概要

成人に高熱と皮疹を伴う原因不明の疾患です。発熱時に皮疹(サーモンピンクと呼ばれるような淡いピンク~赤色の皮疹)、咽頭痛、筋痛を伴うことが多いです。血液検査では白血球増加やCRP高値などの炎症反応が上昇し、肝障害を呈するとともに血清フェリチン値の高値を認めます。感染症として抗菌薬治療しているが改善しない場合など、フェリチン値が著しく高いことで気付かれることが多いです。診断には、感染症、悪性腫瘍、膠原病を除外することが重要であり、特に悪性リンパ腫との鑑別が困難であることがあります。時に播種性血管内凝固症候群(DIC)、二次性血球貪食症候群、髄膜炎、成人呼吸窮迫症候群などの重篤な合併症を認めます。

特徴的な検査結果

白血球増多、フェリチン値の著明な上昇、CRPの上昇

治療

ほとんどの場合はステロイド治療が必要となり、ステロイドパルス療法を行うこともよくあります。治療抵抗例ではシクロスポリン(ネオーラル®)やメトトレキサート(リウマトレックス®)などの免疫抑制剤や、トシリズマブ(アクテムラ®)などの生物学的製剤を併用します。

IgG4関連疾患

概要

全身のいろいろな臓器(涙腺、唾液腺、膵臓、腎臓、大動脈周囲など)が線維化して腫れて、かたまりを作ったり(腫瘤をつくる)する疾患です。血液中の抗体の一つであるIgG4が血液中で上昇し、各臓器でIgG4を分泌する細胞がたくさん集まり、線維化を起こすことを特徴とします。症状は、どの臓器が障害されるかによって変わってきますが、涙腺では上まぶたの腫れ、唾液腺では耳や顎の下の腫れ、膵臓では膵炎、腎臓では腎機能障害、大動脈周囲では尿路狭窄による腎機能障害、水腎症(尿路がつまり、腎臓がはれる状態)などをきたします。

特徴的な検査結果

IgG、IgG4値の上昇

治療

ステロイドは効果的な治療薬であり、一般的にステロイドへの反応性は良好です。しかし再発の頻度も高いため、免疫抑制薬を併用することもあります。

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