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③末期腎不全に近づいた時に腎代替療法の選択や安全な準備
透析がいるかもと言われた方はご自身の腎臓の機能がかなり落ちている可能性があります。
具体的には腎臓の機能が10%以下になってくると何か他の方法(腎代替療法と言います)で腎臓の機能を補わないと生命維持が難しくなってきます。
現在日本行える腎代替療法は、機械による血液透析・腹膜を利用した腹膜透析・腎移植の3つから選択ができます。それぞれ長所や短所があり、治療を行うために準備が必要です。
透析がいるかもと言われた方の中には体の状態や条件によって必ずしも血液透析しか選択肢がない訳ではありません。
また次の図②③のように残された腎臓の機能を守る事で、透析が必要になる時期を先に伸ばす事もできる可能性があります。
腎臓の機能を守ってきても結果として透析が必要になる事があります。
腎代替療法への準備が出来ていない方が治療が必要になった時には慌ただしく準備をする事になります。
緊急で透析導入になる方の生命予後は良くないと言われていますので、適切な時期に準備できるようにしておく事が望ましいと考えています。
色々な要因があるのですが、現在、日本では腎代替療法の中で90%近い方が血液透析を選択されています。
血液透析をするためには透析機器に血液を出し入れするための’もの’が必要になります。
この‘もの’はバスキュラーアクセスと呼ばれ、種類にシャントやカテーテルがあり、ご自身の体(特に上肢、上半身)の血管の状態によって手術で作成します。
それまでに使用が想定される血管を上手に守る事が手術の良い結果に影響してきます。
適切な時期にシャントの手術をする事で、血液透析が必要となった時にスムーズに開始することができます。
当院で行う事
腎代替療法がどのくらいの時期に必要となるかの予測を行います。
その後残った腎臓の機能をなるべく長く使えるように治療を行います。
腎代替療法である、血液透析・腹膜透析・腎移植のそれぞれの長所や短所などを説明させて頂き、どの療法が患者さんと家族にとって最適か助言をします。
腎代替療法へのスムーズな移行ができるように予定をたてます。
血液透析を選択される場合はバスキュラーアクセス設置のための血管温存がどの血管で必要かを具体的にご助言します。
実際のバスキュラーアクセス設置を適切と予測される時期に行う事も可能です。
当院では、腹膜透析と腎移植は行えませんので、腹膜透析・腎移植が適する場合には専門の施設へご紹介させて頂きます。